災害救急医療
磐田市災害時における医療従事者等の救護活動について

災害時または災害の発生が予想される場合における、医療従事者等(医師・歯科医師・薬剤師・看護師・補助者等)の救護所等への派遣については、磐田市地域防災計画及び同計画に基づく磐田市医療救護計画によるものであり、その概要は次のとおりです。

1.医療救護活動の従事者

  1. 磐田市医師会医師と看護師
  2. 磐周歯科医師会歯科医師と歯科衛生士等
  3. 磐田薬剤師会薬剤師
  4. 補助者(磐田市職員)等

2.救護所等の任務

  1. 救護所は、原則として軽症患者に対する処置を行うものとし、必要に応じ中等症患者及び重症患者に対する応急処置等を行うものとします。
  2. 救護病院は重症患者及び中等症患者の処置及び収容を行う。救護病院は磐田市立総合病院(平常時病床数500床)及び磐田脳神経外科病院(平常時70床)とし、救護病院としての防災上の組織体制を策定する。医療救護活動の従事者は同病院にて確保する。なお、磐田市立総合病院は県の災害拠点病院としての位置づけもされているので、広域的な医療救護活動も担うこととなる。
  3. 仮設救護病院は救護病院に準ずる機能を果たし、原則として中等症患者に対する処置及び収容を行うものとし、必要に応じ重症患者の応急処置も行う。仮設救護病院は新都市クリニックを指定する。仮設救護病院の管理者は医師とし、救護本部または災害対策本部の指示により活動する。

3.医療救護の開始時期(招集時期)

  1. 災害対策本部長の指示によるとき
    (1)災害対策本部長(市長)より、医療救護活動の要請があった時
  2. 災害対策本部長との連絡がとれない等、緊急やむを得ない場合
    (1)テレビ・ラジオ・市同報無線等で、該当地域の震度が5強以上の発表があった時(職員においては、震度4以上の発表があったとき)
    (2)震度情報が得られない時でも、付近の被害が甚大で医療救護対象者が多数発生していると予想される時

4.参集する前の準備

  1. 自分と家族等の身の安全を確保します。
  2. 自宅等の被害状況を確認します。
  3. 自宅等の危険防止措置を行います。(火の元も点検も忘れずに!)
  4. 可能なかぎり、医師は参集可能な看護師2名を、歯科医師については参集可能な歯科衛生士を同行して下さい。
  5. 救護活動にあたる救護所等の連絡先を玄関に掲示します。(○○救護所に出動中)

5.参集方法

原則は徒歩で参集願います。しかし、道路に大きな被害がない場合は、自転車・オ−トバイ等、状況に応じて利用して下さい。
救護所等に参集することが不可能な時は何らかの方法で救護所に連絡をお願いします。

6.服装・持参品等

服装は活動しやすい服装(できれば医師とわかるよう白衣を用意)、ヘルメット、診療器具、飲料水等、数日分の着替え等救護活動と自分 の安全が確保のできるようにお願いします。

7.医療救護活動の準備(ここは市町村の職員と協力して行う)

  1. 救護空間の施設確保の安全が確認できた場合には体育館等を使用するなど、状況に応じ各避難所(救護所兼ねる)配属の市避難所運営班員(別添名簿参照)と連絡をとり、救護所を開設して下さい。なお2次災害の危険のない場所を選定してください。
    (1)受付・トリア−ジゾ−ンの受付準備・トリア−ジゾ−ン・トリア−ジ後の患者の収容場所を決め、机・イス・受付簿・トリア−ジタッグ・筆記用具等を準備し、看護師・補助者(別添名簿参照)を配置します。
    (医師等は、補助者等と役割分担を確認の上、トリア−ジ・応急処置にご尽力下さい。)
  2. 救護所等の診療救護所等体制管理者は原則として参集した医師の中から選任されます。各救護所等に参集した医師、看護師、補助者で医療チ−ムをつくり、薬剤師が補佐をします。発災直後は24時間体制とし、情勢が安定した時は必要に応じロ−テ−ションを組み、12時間勤務の交替制をとって下さい。その他、救急に対する知識を持つ者、地区保健委員等、避難所運営班員と連絡をとり、協力者を確保して下さい。
  3. ライフラインの確保飲料水、食糧については市災害対策本部に供給を要請します。
  4. 医薬品等の準備
    各救護所等に設置されている防災倉庫(別添地図参照)内に備蓄してある救護セットを開け、治療の準備をします。別に救護セットの内容を添付 しますが、おおむね次のとおりです。
    1号ケ−ス 診断用具・蘇生用具・蘇生気管挿管用具・外科用具・衛生用具
    2号ケ−ス 創傷用具・熱傷用具・骨折用具・医療用具
    3号ケ−ス 消毒剤・鎮痛鎮静剤・強心剤・止血麻酔剤・血圧昇圧剤・利尿剤・補液剤・注射輸液用具
    4号ケ−ス 雑品
    5号ケ−ス 蘇生器
    担架
  5. 災害対策本部への報告
    救護所等管理者は救護所等を開設する準備が整いしだい、防災無線等で市の本部へ報告してください。

8.救護活動開始(医師の主な業務)

  1. 受付・トリア−ジ
    搬入されてくるケガ人のトリア−ジを行います。
    受付で受付番号・住所・氏名・年齢・性別・搬送元・負傷箇所等をわかる範囲で聞き取りトリア−ジタッグに記入します。
    トリア−ジタッグはカルテの代用として使用し、医師は処置の内容をタッグに記載してください。
    搬入時に死亡が明らかな者は、遺体仮安置所に搬送します。
  2. 診療
    (1)軽傷患者に対する処置
    (2)中等症・重傷患者の応急処置
    (3)救護病院への移送手配
    重傷患者の救護病院(磐田市立総合病院)への搬送は磐田市災害対策本部へ要請しますが、 状況に応じ自主防災会、消防団等に協力を依頼して下さい。
    (4)医療材料の管理及び調達
    (5)医療救護活動の記録及び救護本部への収容状況等の報告
    (6)死体の検案
    (7)その他必要な事項

9.応援要請

治療に必要な医薬品、血液、物資、医療従事者等が必要な場合は、救護本部に要請します。
救護本部において、医薬品⇒磐田薬剤師会・西部保健所、血液⇒西部保健所、物資・医療従事者⇒市災害対策本部を通じ、 県の応援班に要請します。

10.医療救護活動記録の作成

救護活動終了後、補助者または薬剤師は

  1. 当該救護所等の行った『医療救護活動報告書』
  2. 当該救護所等で救護活動にあたった『医療従事者名簿』
  3. 使用した『医薬品等使用報告書』を作成し救護本部へ報告します。

11.事故報告

医療救護活動において、医療従事者が負傷し、疾病にかかり、または死亡した時は『事故報告書』により、補助者は速やかに救護本部に報告します。

12.救護本部

救護本部は磐田市災害対策本部または磐田市地震災害警戒本部(磐田市役所本庁舎4階)内におき、救護本部長には医師会において予め定める医師が、副本部長には市救護班長(健康増進課長)があたり、医療救護活動を指揮・監督する。
本部員として、歯科医師会、薬剤師会において予め定める歯科医師、薬剤師及び本部長が特に必要とするものを充て、さらに本部付職員として救護班員及び本部員が定めるものにより救護本部を運営する。救護本部は磐田市災害対策本部と密接な連携を図り、医療救護活動を行うものとする。

13.仮設救護病院、仮設病棟

仮説救護病院は救護病院に準ずる機能を果たし、原則として中等症患者に対する処置及び収容を行うものとし、必要に応じ重症患者の応急処置も行う。
仮設救護病院は新都市クリニックを指定する。仮説救護病院の管理者は医師とし、救護本部または災害対策本部の指示により活動する。

14.広域医療要請

市独自で対応できないと判断した時は、市災害対策本部を通じ被災地外の病院へ患者を移送します。

磐田市災害時における医療従事者等の救護活動について
地域 病院数 病院名 所在地 電話番号
西部 6 袋井市立袋井市民病院 袋井市久能2515-1 0538(43)2511
    浜松医科大学付属病院 浜松市半田町3600 053(435)2149
    県西部浜松医療センター 浜松市富塚町328 053(453)7111
    掛川市立総合病院 掛川市杉谷721 0537(22)6211
    聖隷三方原病院 浜松市三方原町3453 053(436)1266
    磐田市立総合病院 磐田市大久保512-3 0538(38)5000
中部 7 清水市立病院 清水市宮加三1231 0543(36)1111
    県立総合病院 静岡市北安東4丁目27-1 054(247)6111
    静岡赤十字病院 静岡市追手町8-2 054(254)4311
    静岡済生会総合病院 静岡市小鹿1丁目1-1 054(285)6171
    島田市立島田市民病院 島田市野田1200-5 0547(35)2111
    焼津市立総合病院 焼津市道原1000 054(623)3111
    藤枝市立総合病院 藤枝市駿河台4-1-11 054(646)1111
東部 6 順天堂医学部付付属静岡病院 田方郡伊豆長岡町長岡1129 055 (948)3111
    沼津市立病院 沼津市東椎路春ノ木550 055(924)5100
    富士市立中央病院 富士市高島町50 0545(52)1131
    国立東静病院 駿東郡清水町長沢762-1 055(975)2000
    富士宮市立病院 富士宮市錦町3-1 0544(27)3151
    三島社会保険病院 三島市谷田字藤久保2276 055(975)3031

磐田市災害時における医療従事者等の救護活動について
救護所名(救護本部) 名称 所在地 電話番号 FAX番号
1 健康増進センター 健康増進センター 国府台57-1 0538-35-4501 0538-35-4586
2 北部救護所 向陽中学校 向笠竹之内1162-2 0538-38-0339 0538-38-3632
3 東部救護所 神明中学校 鎌田2262-74 0538-32-4644 0538-36-1859
4 南部救護所 磐田南小学校 千手堂1356-1 0538-32-2553 0538-36-3329
5 見付救護所 磐田北小学校 見付2352 0538-32-6168 0538-36-3254
6 田原救護所 田原小学校 三ヶ野1030-1 0538-32-5445 0538-36-2934
7 福田保健センター救護所 福田保健センター 宇兵衛新田186-1 0538-55-3006 0538-58-3093
8 福田救護所 福田小学校 下太380 0538-55-2129 0538-55-2766
9 竜洋救護所 竜洋保健センター 岡783-1 0538-66-8800 0538-66-8801
10 豊田保健センター救護所 豊田保健センター 弥藤太島500-1 0538-37-6483 0538-33-1287
11 豊田救護所 豊田中学校 加茂243 0538-32-4637 0538-32-8392
12 豊岡救護所 豊岡農村健康管理センター 壱貫地76-5 0539-63-0039 0539-63-0038

*救護本部(磐田市災害対策本部内)磐田市役所本庁4階 国府台3-1 TEL 37-2111 FAX 32-2353

磐田市災害時避難所の情報はこちら

静岡県災害時避難所の情報はこちら

参考資料

トリアージについて

優先度 分類 色別 疾病状況 診断
第1順位 緊急治療 赤I 生命、四肢の危機的状態で 直ちに処置の必要なもの 気道閉塞または呼吸困難、重症熱傷、心外傷、大出血または止血困難、開放性胸部外傷、ショック
第2順位 準緊急治療 黄II 2〜3時間 処置を遅らせても悪化しない程度のもの 熱傷多発または大骨折、脊椎損傷、合併症のない頭部外傷
第3順位 軽症 緑III 軽度外傷、通院加療が可能程度のもの 小骨折、外傷、小範囲熱傷(体表面積の10%以内)で気道熱傷を含まないもの、精神症状を呈するもの
第4順位 死亡 黒0 生命徴候のないもの 死亡または明らかに生存の可能性のないもの

震度について

震度 状況
3 ・屋内のほとんどの人が揺れを感じ、恐怖感を覚える人もあり。
・棚にある食器類が音をたてることあり。
・電線が揺れる。
4 ・かなりの恐怖感を感じ、眠っている人のほとんどが起きる。
・つり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類が音をたてる。
・座りの悪い物が倒れることあり。
・電線が大きく揺れる。
5弱 ・多くの人が身の安全を図ろうとし、一部の人は行動に支障を感じる。
・つり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類・書棚の本が落ちることあり。
・座りの悪い物の多くが倒れ、家具が移動することあり。
・窓ガラスが割れることあり。電柱が揺れるのがわかる。
・補強されていないブロック塀が倒れることあり。
・道路に被害が生じることあり。
・耐震性の低い住宅では、壁や柱が破損。
・ガス・水道・電気の停止もあり。
・地盤に亀裂が生じることあり。
5強 ・非常な恐怖を感じ、多くの人は行動に支障を感じる。
・棚にある食器類・書棚の本の多くが落ちる。
・タンスなど重い家具が倒れること、変形でドアが開かなくなることあり。
・補強されていないブロック塀の多くが倒れる。多くの墓石が倒れる。
・自動車の運転が困難となる。
・耐震性の低い住宅ではかなり壁や柱が破損、傾くものもあり。
6弱 ・立っていることが困難。
・固定していない家具の多くが、移動、転倒する。開かなくなるドア多し。
・多くの建物の外壁タイル、窓ガラスが破損、落下する。
・耐震性の低い住宅では、倒壊するものあり。
・地割れ、山崩れが発生することあり。

地震発生後の医師の活動について

対応 時間帯 位置付け 活動内容(参集可能) 活動内容
(参集不能)




発生から1時間 組織的活動不能時間帯 ・自己・家族の完全確保
・患者さん、職員等の安全確保
・地震規模の覚知
・診療所の被害把握
・自主参集の準備
左に同じ




発生から6時間 参集行動及び
組織確率時間帯
・救護所に参集
・市職員等と役割分担の確認
・負傷者のトリアージ
・負傷者の応急処置
・参集不能会員の把握
・医療救護本部へ状況報告
以下、可能な限り(参集可能になった場合は、随時救護所へ)
・指定救護所へ状況報告
・自己診療所で負傷者対応
発生から48時間 組織的対応時間帯 ・負傷者のトリアージ
・負傷者の応急処置
・応援部隊の受け入れ
・医療救護本部へ状況報告
 

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